AMDのNavi31(Radeon RX 7900)とNVIDIA GeForce RTX 4090との比較。

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AMDのNavi31について


AMD Navi31は、AMDの次世代GPUマイクロアーキテクチャのコードネームです。このNavi31は、2022年末に発表されたRadeon RX 7900シリーズに採用された、全く新しい設計のGPUアーキテクチャとなっています。

58億個のトランジスタ

Navi31は5nmプロセスで製造されており、最大58億個のトランジスタを集積しています。これにより、前世代のRDNA2アーキテクチャのGPUと比べ、非常に高いトランジスタ密度を実現しています。CU(Compute Unit)の数は最大128基で、AVX2命令にも対応した新しい改良型CUを採用しています。

Infinity Cache

Infinity Cache(インフィニティキャッシュ)がNavi31の特徴で、これは、GPUに内包するキャッシュの機能のことです。Infinity Cacheは128MB容量を確保。L2キャッシュはCUあたり2MBです。メモリインターフェイスは384bitで最大24GBのGDDR6メモリをサポートしています。

チップレット

マルチチップパッケージング技術「Chiplet」をGPUに適用し、複数のダイを1パッケージに実装することで、大幅に歩留まり向上とコスト削減を実現しています。制御用のGCDと複数のWGPダイで構成されているのが特徴です。

レイトレーシング

描画機能も強化されており、レイトレーシング性能は前世代比で50%向上。メディアエンジンエンコーダーはAV1エンコードに対応しました。ディスプレイエンジンはHDMI2.1a、DisplayPort2.1をサポートしています。

総合的に、Navi31はRDNA2比で1.7倍の性能/Wattを達成した、AMDの新世代GPUアーキテクチャと言えます。次世代ゲーミング用としてだけでなく、クリエイター業務用途にも大きな進化を遂げていると期待されています。

Radeon RX 7900について

FSR3対応

AMDのRadeon RX 7900シリーズは、同社の新しいアップスケーリング技術であるFidelityFX Super Resolution 3(FSR3)に対応しているのが大きな特徴です。FSR3はスパシャルアップスケーリングとテンポラルアップスケーリングを組み合わせた、非常に精度の高い新しいアップスケーリング手法です。

これについては下記の記事で詳しく解説しました。ぜひご覧ください。

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RDNA3アーキテクチャを採用したRX 7900シリーズならではの高いパフォーマンスと相まって、FSR3によって画質の劣化を抑えつつ大幅なフレームレートの向上を実現できます。元の解像度より高い解像度でゲームをプレイする際に、FSR3がその真価を発揮します。

NVIDIA GeForce RTX 4090の特徴

NVIDIAの新型フラグシップGPU、GeForce RTX 4090は同社の新GPUアーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用したハイエンドモデルです。

トランジスタ数

RTX 4090は史上最多の761億個ものトランジスタを集積しており、圧倒的な演算性能を誇っています。

CUDAコア

RTX 4090の最大の特徴は、16384基ものCUDAコアを搭載していることです。これは前世代比で2倍以上のコア数で、理論演算性能は83TFLOPSにも達します。

新型の4世代Tensorコアも採用されており、AI処理性能が大きく向上。3世代のRTコアも積み込まれており、リアルタイムレイトレーシングも以前より大幅に高速化されています。

24GBのGDDR6X

VRAM容量は24GBのGDDR6Xを採用。これはハイエンドGPUとしては大容量で、高解像VRコンテンツなどにも対応できる十分な容量が確保されています。メモリインターフェイスは384bit幅で、メモリ帯域性能も非常に高い水準を実現しています。

ゲームの画質向上技術としては、新世代のDLSS 3に対応。画質を落とさずに高速描画を実現します。総合的に見て、圧倒的な演算力と先進の機能を兼ね備えた、真のハイエンドモデルといえるでしょう。

Radeon RX 7900とGeForce RTX 4090の違い

AMDの新型GPU Radeon RX 7900シリーズと、NVIDIAの新型GPU GeForce RTX 4090は、共に2022年末に発表された次世代のハイエンドGPUですが、アーキテクチャやスペック、特徴には大きな違いがあります。

コアに対するアプローチの違い

RX 7900シリーズはAMDの新アーキRDNA3を採用し、CU(Compute Unit)の数を大幅に増やすことで演算力を向上させています。一方RTX 4090はNVIDIAのAda Lovelaceアーキで、CUDAコアこそRDNA3ほど増えていませんが、1コアあたりの性能が大きく向上しています。

VRAM容量の違い

VRAM容量はRTX 4090の24GBに対し、RX 7900は20GBや16GBとやや少ない印象です。

FSR3とDLSS3

特徴的なのは、RX 7900がAMDの新アップスケーラFSR3に対応しているのに対し、RTX 4090はNVIDIAのDLSS3を採用している点でしょう。アップスケーリング性能そのものはDLSS3が上回っていると言われています。

DLSS2とDLSS3の違い

DLSS3は、前バージョンであるDLSS2とどのくらい差があるのか?過去に記事にしたので、こちらをご参考ください。

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冷却性能の違い

冷却性能を見ると、RTX 4090のほうが大型三方向ファンやフィン列ヒートシンクを採用するなど、消費電力450Wを冷却するための装備が手厚く感じられます。電力性能比で見ると、RX 7900の方が高い効率性を実現していると考えられそうです。

まとめ

総合的に見て、RTX 4090のほうが圧倒的なスペック感はあるものの、実際のゲーム性能では2つで拮抗している部分も多い印象です。

個人的にはGeForce RTX 4090のほうがパフォーマンスに優れていると感じていますが、値段でみると、RTX4090の方が安いので、コスパ重視ならRTX4090がおすすめです。用途次第で両製品の選択肢があるのは良いことだと思います。

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